名将未設定 -untitled-

クリエイティブな才能に憧れる在宅系ハロヲタの独り言。

「見返り美人」とその英訳に関する考察

先日、シングルの発売に先駆けて、モーニング娘。'14の新曲「見返り美人」のミュージックビデオが公開されました。


モーニング娘。'14 『見返り美人』(Morning Musume。'14[A looking back beauty]) (Promotion Ver.) - YouTube

 

歌詞にも出てきますが、「凛とたたずむ」道重さんの姿と、そんな「あなたが憧れ」だという後輩たち。そこには、歴史と伝統の美しい物語が映し出されているような気がします。

 

 

 

ところで、このMVもそうなのですが、最近ハロー!のMVには英訳詞…というか、対訳がつくようになりました。

しかし、この翻訳ってどうしてるんだろう。

作詞者(則ち多くの場合がつんく♂氏となりますが)とやり取りをしながら、ニュアンスを汲もうと訳しているのか、或いはただ作業然と対訳をつけているのか……非常に気になるところであります。

 

普段は「つんく♂さんの歌詞を英訳するのはほぼ無理だろ?(…もちろん褒め言葉として、念のためw)」的な立場におりまして、MVの英訳も意識的に気にしない様にしてたんですが、今回はそうもいかず…(作詞は石原信一先生、作曲は弦哲也先生です)。歌詞(=日本語)がシンプルで美しい。その英訳はどうなっているのか?と、私の知的好奇心がウズウズと……というのはカッコつけ過ぎですが、すこし気になる点が……

 

などと思っていたところに、もう一度動画ページを見返すと、

Please note: this is a literal translation, the translation may not be perfect.

という一文が記されてました。(前から書いてあったっけかな?)
 つまり、

「あくまで直訳だから、完璧とはいえないかも……」

とのこと。

 

そんなわけで、ここではその直訳に勝手な解釈を加えてみようと思います。

思い込み、強引さ多数……まぁ、生暖かい目で見て頂けると幸いです。

 

 

 歌詞を見る前に、大前提としてこの楽曲は、

『見返り美人』
3曲目は後輩達が卒業する道重を送り出すための曲です。
なので、道重以外の9名で唄っています。

11年間頑張って来た道重へ後輩が贈る歌です。

 

モーニング娘。'14 10/15発売シングル「TIKI BUN/シャバダバ ドゥ~/見返り美人」|つんく♂オフィシャルブログ 「つんブロ♂芸能コース」 powered by アメブロ

という楽曲であるということをもう一度押さえておきます。

 


それでは歌詞の一部を書き起こし、引用。

 

You were everyone's idol

みんなあなたが憧れでした

Your sister knew nothing about how to talk, how to act

何も知らない妹に 言葉遣いや立ち振る舞いを

You were the one who always taught her

いつも教えてくれた人 

Aメロ部分の歌詞です。

この辺りの英語は高校入試を控えた中三生くらいならまあわかるかな?という程度のレベルでしょうか。 

一行目、三行目の主語”You”は、この曲の前提から道重さんを指すことは明白です。

二行目の主語は”Your sister”と単数になっています。これは9,10,11期の後輩(以下、“後輩メンバー”とする)からの思いというよりは、後輩メンバーそれぞれの道重さんに対する(一対一の)思いを指すようなイメージでしょうか。

一行目の"everyone"という単語が意味する「みんな」も同様に「個人の集合」ですね。 

ちなみに英語のテストでよくあるのは、三行目の”her”が指すのは誰でしょう?みたいな問題ですね。もちろん答えは、二行目の”Your sister”です。

 

此処までは、後輩メンバーから道重さんに(あるいは第三者視点から道重さんに)向けた語り口だと考えられます。

 

これがBメロ部分になると……

Life is like a painting, a dream or an illusion

この世は浮世絵 夢か幻

She was a cool senior who stands tall and still

凛とたたずむ 先輩でした

道重さんを指す代名詞が"She"になっています。Aメロ部分では"You"となっていたところです。

 

続いてサビ部分では……

Turning her back to say goodbye, she's a looking back beauty

背中(せな)でさよなら 見返り美人

Ah, we will miss you, a beautiful lady

ああ ああ もったいないよ いい女

一行目ではBメロと同様に”she (her)”が道重さんを指しますが、二行目では再び"you"と、代名詞が変化しています。

また、 Aメロで"your sister""her"が指していた後輩メンバーですが、ここでは"we"となっています。

 

代名詞の違いから……

道重さんを"you"とする部分は、彼女の前にいる後輩メンバーの視点、

対して彼女を"she"とするのは、彼女のいないところで、後輩メンバーたちが第三者に(彼女について)語りかけるような視点だと言えます。

  整理すると、この曲の歌い手である後輩メンバーの視点は【道重さん→第三者】と向き、

(サビの)最後にもう一度、「貴女がいなくなる……寂しくなります」と道重さんに向く……そんなイメージを与えます。

 

ここでの第三者ですが、それが道重さん卒業後の新たなる(=12期以降の)メンバーたちだとするならば、この曲はまさに”伝承・継承”の歌となります。

あるいは、第三者をこれからグループを好きになる「未来のファン」と解釈するのも面白いかもしれません。

 

また、"you"が示すの対象を道重さんだけでなく、これまでの先輩メンバー(OG)たちと解釈した場合にも、("she"が単数である点で矛盾が生じますが、OG全体でなくそれぞれひとりひとりだとすれば……)、「過去から未来への継承」を大いに感じられます。

ともすれば"you"を現在までの“モーニング娘。というグループそのもの”だと解釈しても良いかもしれません。

 

 

……と、あくまで直訳に無理矢理それらしい解釈を加えようとここまで色々勝手なことを述べてきましたが、この曲が“伝承”や“継承”の歌であることは、英語の文法を引っ張りだしてあーだこーだ言わずとも、おそらく曲を聴いた皆さんにはお分かりのことと思います。

そんなわけで、なんだか尻すぼみの、非常に大したことのない考察というか解釈にしかなりませんでしたが(笑)

 

ただ、日本語話者として、日本語がなまじわかるために、あまり考えないということは良く有ることと思います。

(この曲の歌詞も、ただ聞けばそのフォーマットとしては「先輩」について(第三者に対する語りではなく)「あなたは〜で、〜で……」と語っているだけのようにも思えます。)

そこに、ちょっと別の見方を加えてみるとまた違ったものが見えてくる、あるいは、見えづらかったものが鮮明に見える…かも。  …という、そんなお話でした。

 

※あくまで勝手な解釈です。英文法に関しても間違ったことを言っているかもしれません。

なにか有りましたら、コメントやTwitter等でお知らせいただくか、「コイツアホやなぁ〜」と思いながら放ったらかしにして下さい(笑)